チベット・モンゴル仏像の部

文殊菩薩

文殊菩薩(マンジュヴァジュラ)色々な形があるが、どの形にも見られる特徴は右手で剣を振りかざしている。この剣は煩悩の原因となる無益な議論や妄語(戯論)を智慧(般若波羅密)の利剣で絶つことを意味している。 空海が著わした「般若心経秘鍵」では文殊を「文殊の利剣は諸戯を絶つ」といい、「理趣経」では「一切無戯論如来」ともいう。 チベット仏教では般若の智慧を代表する文殊が信仰され、チベット仏教範囲にあたる中国東北地区(女真族)は文殊師利(マンジュシュリー)信仰からマンジュウ(満州)という名前が残ったといわれる。