味耜高彦根神

日本神話に登場する神。『古事記』では阿遅?高日子根神、阿遅志貴高日子根神、阿治志貴高日子根神と書かれ、『出雲国風土記』には阿遅須枳高日子と書かれ、他に阿遅鋤高日子根神、味耜高彦根命とも書かれる。大国主命の子。記紀では友人の天稚彦の葬儀に訪れたとき,その家族から死者が生き返ったと勘違いされたことに怒り,葬儀の建物を切り倒して足で蹴とばし,そのまま飛び去ってしまった。そのとき,ふたつの谷に渡るほど長大な姿で光り輝いたという。また『出雲国風土記』は髭が長く伸びるほどに成長しても,昼夜を分かたず泣いていた(言葉を話さない)と伝える。これらの話のうち,建物を壊して飛び去ったり,いつまでも言葉を話さないというのは雷神としての性格の表れと考えられている。また,ぴかぴか光る長大な姿というのは正体が蛇であることを示しており,神名の「あじすき」は切れ味の良い金属製の鋤(農具)に由来する。これらはいずれも雷と縁のあるもので,この神が農耕の守護神たる雷神であることを示している。